黒のシルクについて
シルクは、蚕がつくる繭から生まれる天然繊維です。細く長い繊維が生み出す、なめらかな肌触りと、光の角度によって繊細に表情を変える艶。その美しさは、強く主張するものではなく、静かに現れます。
人の肌に近いタンパク質を主成分とするシルクは、しなやかで柔らかく、肌に触れると自然になじみます。吸湿性と放湿性にも優れ、汗ばむ季節には余分な湿気を逃がし、乾燥する季節にも心地よい環境を保ちます。
Nero Primoでは、極細の200番手の糸を二本撚り合わせた双糸を使用しています。細番手ならではの軽さとなめらかさを活かしながら、双糸にすることで、生地としての安定感と美しい表情を持たせました。
そして、この繊細なシルクを黒に染めることで生まれるのが、Nero Primoならではの深い陰影です。
光を受けても強く輝くのではなく、黒の奥から穏やかな艶が浮かび上がる。遠くから見れば静かな黒でありながら、近づくほどに、生地の繊細な織りや、しなやかなドレープが見えてきます。
装飾を抑えたNero Primoでは、黒のシルクそのものの美しさが際立つよう、パターンも必要な線を中心に構成しています。余計な要素を加えず、素材の艶やドレープ、身体を包むラインがそのまま一着の表情になるように仕立てています。
一見するとシンプルでありながら、近くで見るほどに、素材と仕立ての違いが見えてくる。
肌に直接触れるものだからこそ、見た目の華やかさだけではなく、触れたときの感覚、動いたときの心地よさ、そして身に着けたときの佇まいまで丁寧に考えています。
装飾で飾るのではなく、素材そのものの質感と、細部の仕立てによって生まれる美しさ。
見せるためではなく、身に着ける人自身が知る上質さ。
それが、Nero Primoが表現する黒のシルクです。
